『神様ゲーム』 麻耶雄嵩

神様ゲーム (ミステリーランド)

神様ゲーム (ミステリーランド)

大変面白かったです。少年少女にぜひとも読ませたい。少年少女に読ませちゃダメだろーってところが面白い。昨今の少年少女はどうなんでしょうね。これくらいのことではびびらないんでしょうかね。わからないけど。純真無垢なあたりに、ぜひ。
なんといっても私のお気に入りは、鈴木の存在です。って当たり前か。ここに疑問を与えないところが本当に好きです。いいぞーいいぞー。主人公が小学四年生であることが本当に生きているなぁ。

これは、子どもだから神様であるということを受け入れるっていうことじゃなくて「ゲームとして付き合う」という設定のリアルさ、という意味です。自称神様を受け入れる大人という設定も、ナシではない。伊坂あたりがポロっと書けそうだ。そうではなくて、ここで「ゲーム」ということにしているからこそ、全ての説明を神様には求めないわけで、だから、ミステリとして成立できているし最後のオチも素晴らしく繋がる、というその構造がすんばらしー!という、そういうことです。はい。
ただ私は致命的に頭が悪いので

最後死んでしまったのがお母さんということは、真犯人はお母さんということで、つまり、えっちなことをしていたのはお母さんとだということで、そこまではいいんだけれども。
そうなると、例のお父さんが犯人だとすると成立する色々な手がかりたちがどうなるのかがわからない。ミチルちゃんがお父さんを呼んだ理由は?お父さんが物置に入った理由は?お父さんはわかっててかばったの?
え、それとも、そもそも神様は神様じゃなかったの?え??
うーむ。すべては偶然の産物であり鈴木くんは神様でもなんでもないって考えることはできるのかな……。そうなると、お母さん犯人説もおかしなことになるよね。天誅がくだったわけじゃないんだから、ミチルちゃんもお母さんも関係ないかもしれない、と。推理リセット。
はて…。
……お父さんもお母さんもミチルちゃんと、えっちなことをしていて、実行犯がミチルちゃんとお母さんだったりしてな……
最初から最後までウヒャーっと読める良い本でした。装丁も好きですし、この本は本当に買ってよかったよ。