「メゾン・ド・ヒミコ」

オダジョー(ホモ)がエロい。〜終了〜
としてしまいたいくらいに、ひたすらにオダギリジョー(ホモ)を見つめる映画でした。いや、ヒロインに柴崎コウさんがいらっしゃるんですけれども。そういや、柴崎コウさんてあいかわらず乾いた処女っぽい感じがうまいと言いますか。スッピンだけどお化粧したら美人なんだろうなーという役に最適な人ですね。そういう意味でははまり役だったのではないかと思います。ひっかかる書き方ですか。はい。ひっかかっております。素直にちょっとばかり文句を言うなら、お前の芝居には「つっけんどんで無愛想」と「うってかわった笑顔」しかないのか!と。私が観たものが今まで全部たまたまこうなのかなぁ。そのくせして喋り方が妙に甘えているような声のときとかがあって(今回で言うならば、ダンスホールの「あやまれ」とか)どうも、評価できません。演技の幅が狭いよ。
物語り的には、えーと、私はベタでもいいのでもっと骨太な物語りがきちんとあるものが好きなので、なんともかんともです。
しがない塗装屋で事務員として冴えない日常をおくっている処女っぽい娘のことをある日美形(ホモ)(オダジョー)が迎えに来て、オカマのための老人ホームで毎週日曜日に働くことになって……。というお話なのですが。どうせならもっと父娘のドラマとかオカマへの迫害とか、ベタっとやってくれて良かったのにな。
ルビーを乗せた後の柴崎コウの「あなたたちは逃げてるだけだ」という言葉はひどい。そのへんを投げっぱなしなところがなんとも。オカマとして孤独に死んでいけばいいんだよ!という言葉は柴崎コウの役のこれまでの人生を考えればある意味で爽快なものもあるわけなのですが。「こんなの嘘っぱちじゃん」って、お前は見つけた写真からなにを読み取ったんだ。まぁ、でもその台詞を受けてオダジョーが返すところの「おめーにかんけーねーじゃん」的な中学生発言もたいがいなので、そのへんの、意地の張り合いといいますか幼さのぶつかりあいみたいなものが最後のアレでアレなのかなぁ。これを「不器用な人間どうしが寄り添いあって生きていく」と言うならば、この映画への評価は下げざるをえません。あ、でも、そう考えると経営が苦しくなっていることがある意味皮肉というか……。実はバラバラになっていくしかない運命にあることを前提と考えれば悪いラストではないのかもしれないという気がしてきたぞ……。
と、まあ、ビジュアル的にはオダジョー(ホモ)ばかりが気になるのだけれども物語は柴崎コウを中心としているので座りが悪かった映画でした。
あ、オカマ老人ホームに次々と悪戯をしかける中学生4人組がいるんですけれども。そのなかのリーダー格が「水風船をゴミ出しにきたオダジョーに投げ付ける」→「オダジョー半身ズブ濡れ」→「オダジョー往復ビンタ&「今度やったら殺すぞ」(顎を片手でクイっとつかんで)」をくらってポワワーンってなるところのお顔はとても良かったです。たぶん、この映画で最もドラマティックでした。これは個人的なアレな思い込みとかではないはずだ!
悪くない映画でしたけれども、だいすきー!ってことにもならなかった、な。