『君が代は千代に八千代に』 高橋源一郎

君が代は千代に八千代に (文春文庫)

君が代は千代に八千代に (文春文庫)

短編集。あれ、こんな小説を書く人だったっけ、というのが読み始めの印象。セックスのことばっかりだなぁ。面白かったけど、高橋源一郎のファンキーさって、こういうことだったっけ…? 時代なのかなー。ポストモダンは死んだか。
でも面白かったです。私が面白かったのは、自分の娘をみていると全然まったくそんな気は微塵もないのにも関わらずどうしても近親相姦という単語が頭に浮かんでしまう男の話。読んでいる私は考えちゃいけないと思えば思うほどに室井佑月って単語が浮かびましたよ。
あとは、あとがきのラスト2行。お前は子どもか!
さようなら、ギャングたち (講談社文庫)』は最も読み返す本BEST5に入るくらい大好きで、高橋源一郎の生き方のダメな感じがするところも大好きで、見た目も大好きで(脳内イメージは松任谷正隆とものすごいかぶる)、残念ながらこの本は『さようなら、ギャングたち (講談社文庫)』のように何度も読み返すような本にはなりそうもないけれど、やっぱり高橋源一郎のことは好きだなぁ、という確認になりました。スキスキスー。