『誘拐の果実』

誘拐の果実 (上) (集英社文庫)

誘拐の果実 (上) (集英社文庫)

誘拐の果実 (下) (集英社文庫)

誘拐の果実 (下) (集英社文庫)

面白かったです。一気に上下巻読みました。フー。以下、読んでいない人は何も知らずに読むほうが幸せだと思うので全面的にネタバレ反転。

二つの誘拐の絡みあいが明らかになっていくさまに興奮いたしました。フー!フー!
ただ、その興奮は関係が明らかになった時点で満足を得るので、最後の最後「ここからが本当の脅迫です」というあの手紙のあたりはオマケ的にしか読むことができませんでした。動機の説得力として、若者らしい青臭い理屈というのは納得なんですけれども。
あと、さまざまな老人たちが割と根は善人というか、最終的には悔恨してお墓参りとかいっちゃうあたりが。救いなんですけれども、院長像などをブレさせているように思います。院長は、あれあのまま最後まで自分と自分の家族と何よりも病院の保身だけを考えてしまう可哀想なオジイチャンってことでも良かったな。
というわけで。満足のいく読書でした。


この本「父にオススメできるミステリを教えてください」と以前お願いした際にどなたかに推薦していただいた本だったかと思います。大変面白かったので、父にススメてみます。ありがとうございました。