「LOVE ME DOLL!」

たぶん普段は稽古場なんだろうなっていうスタジオでの新人公演。正直、麻草くんを知らなかったら観にいかなかったです。
でも、いってよかった。物語そのものにはとりあえず触れない感想を。
小屋に入って最初に感じたことは、アチャーでした。スタジオでの新人公演だなぁ、という。天井低くて照明吊れてないよ。音響よくないよ。客席がパイプ椅子ってひさびさだよ。こりゃ期待できないかもなぁ、と。
でも、杞憂でした。照明なんかチャチくったって、音響が悪くたって、狭くったって、演劇は演劇として成立しうるのだって再認識した。なんだかここのところ舞台といえば大きな劇場で観るアニメミュージカルばかりだったので、こういう感覚を忘れていましたよ。


実は、先週池袋のシアターグリーンで行われていた「FROGS」というミュキャス中心のお芝居を観にいってまして。キャストはキラキラしていて、とても可愛くてかっこよくって満足だったんですが、なぜか変な絶望めいた気持ちを抱いてしまってここに感想を書くこともできなかったんですよ。今日の舞台を観て、その絶望の正体がなんだったのか、わかりました。
あれをもしも、名前も知らないキャストでやっていたらボロクソにけなしていただろうなって思うような作品だったんです。今までの人生で散々小劇場系の演劇を観てきた「シアターグリーン」という場所で観るには、あまりにもキャストに頼った作品すぎた。照明も音楽も舞台装置もお金がかかっていたし、キャストは輝いてた。けれど、でもそれは「素敵な舞台」を作るための必要条件じゃ、ない。そこで、でも一生懸命汗をかいて動き歌い踊り演じているキャストたちがまぶしくて、悲しい気持ちになったんです。やっとフに落ちました。


もちろん、今日観たこのお芝居も満点ではありませんでしたよ。いろいろと気になった点もあるし、演技だってパーフェクトってわけじゃない。(麻草くんの役は面白かったし、観ていて安心できましたよ。おべっかでもなんでもなく)
でも、なんだろうな。制限された空間で、世界を見せる、その演劇の持つ可能性というか、演劇でなくては表現できない何かを表現しようという空気を感じることができました。たぶん作り手側はそんなことは考えてなくて、面白い舞台を作ろうとしたら出来上がったものなんだと思うのですが。私は勝手に感動した。「ドラマ」って、こういうものだよ。起承があって、転結すりゃいいってもんじゃないんだよ。大仰に聞こえるかもしれないけれど、私は真顔でこれを書いています。
設定はオタ臭がするし、フォックスとタイガーには若干pgrともしたし、集中できなくなるシーンもあった。けど、ラストシーンで私は涙しました。


興味を持たれた方は、えーともう明日しかやっておりませんけれども、是非中野坂上に足をお運びください。

詳細はここ。
http://www.ellestaff.co.jp/troops/play/index.html
チケット予約はここ。
http://www.ellestaff.co.jp/troops/tk_ak/index.html
場所はここ。
http://www.mapion.co.jp/c/f?uc=1&grp=all&nl=35/41/39.450&el=139/40/56.731&scl=10000&bid=Mlink