面白かったもののことを考えよう

海街diary 1 蝉時雨のやむ頃

海街diary 1 蝉時雨のやむ頃

YASHAを受け付けることができなかったので、ものすごい久々に本屋で「吉田秋生の新作を買う」ということをしました。その時点で、こう、胸にぐっとくるものが。吉田秋生がこれまでの人生で一番好きな漫画家です。
面白かった。やっぱりこの人は、天才美青年を描くよりも、こういう日常ベースのものを描いたほうが好きです。『河よりも長くゆるやかに (小学館文庫)』とか。ああ、そういえば、中学生や高校生の頃に思っていた大学生は『夢みる頃をすぎても (小学館文庫)』のような大学生で、たいそう大人だと思っていたなぁ。
臨死!!江古田ちゃん(2) (アフタヌーンKC)

臨死!!江古田ちゃん(2) (アフタヌーンKC)

あと、まあ、これも。相変わらず面白かった。猛禽め猛禽め言ってます。デトロイトメタルシティーの面白さはよくわからない私ですが、これはいけるんです。
でも、これを読んでなにがしかの溜飲をさげてスッキリしている自分もなさけねーっつうかなんつうか。


で、吉田秋生を手に取るという行為のあまりの懐かしさに、うっかり隣にあった高口里純も買ったら、これがホモで。あんまり面白くなかったので貼りませんけれども、うっすらと「ホモかな」って思いながら手にとったんですけれども、こーーーー、こーーーーー、ホモものだったということよりも、ホモであるにも関わらず、あまりに望んでいたものを与えてくれなかったのでガッカリしたのでした。
あと余談だけど、吉田秋生の蝉時雨に出てくる年下の男がすげーかっこよくて、どうにもこうにもそのかっこよさが切なくて、あーこの感情に近いものを最近感じた記憶がーーと掘ってみたら宇仁田ゆみでした。彼女の描く男は、あまりにも格好よすぎて読んでいてつらいってことに最近気付いたの。
そしてさらに言うならば、その「かっこよさ」っていうのは非オタク的な男性としてのかっこよさで、自分の世界との断絶に軽い絶望を覚えるんだって気付いたの。