『太陽の塔』森見 登美彦

太陽の塔 (新潮文庫)

太陽の塔 (新潮文庫)

解説が本上まなみさんだったので驚きました。文体がなんだか唐突に語りかけてくる文体だったので、さらに驚きました。ほ、ほんじょうさんったら……(ポ
そういえば、なにかの拍子に本上まなみさんがオススメの本リストみたいなものを観たか読んだかしたことがあって、その時そこに何が列挙されていたのかは忘れてしまったのですが「ああ、この人本読みなんだろうな」と思ったことは覚えています。ってそんなことはどうでもよろしい。
ハシモトが前に「森見の本は何を読んでも大体同じ」というようなことを言っていた記憶があったのですが、なるほど同じでした。といっても2冊目なのでまだわかりませんが。以前読んだ『夜は短し歩けよ乙女』と主人公が一緒なんじゃないかと思うくらいには似ていました。いや、人物造形とか違うんですけれども、文そのもののタッチが同じだから区別がつかないレベルで相似。ダメ男子学生と、妙に魅力的な女子。今回は女子ほとんど出ませんけれども。
でも、面白かったです。
しかし、以前からずっと不思議に思っていたのですが、クリスマス死ね死ね団的な(インターネットで言うところの非モテ男子ネタ的な)思想って、本当に存在しているのでしょうか? ツンデレを表現するためにツンってデレるみたいな感じに、こう、フィクション的な人物造形のための小説(に限らず書き物)特有思想なんじゃないかとずっと疑っているのですが。
クリスマスに恋人のいない人たちってそんなにもクリスマスを憎むもの? 私のイメージとしては、「クリスマスも他の364日と同じ価値しか持たないただの日である」というだけで、別段憎んでもいないように思うのですが。恋人のいない自分を自虐的にちゃかすための誇張手段として憎い発言をすることはあったとしても。
でも、面白かったです。
他の本も同じ文体で同じリズムで書かれているなら、立て続けには読めないかなー。