『クワイエットルームにようこそ』

面白かったです。
何が良かったって、蒼井優です。あの子のあの存在感は一体なんだ? なんであんなにしっとり手に張り付くお肌みたいな存在感なの?(うまいこと表現しようとして失敗しました)
まぁ、とにかく蒼井優が良かった。
内田さんも嫌いではないのですが、イマイチ魅力が理解できないのであります。いや、なんとなくわかる。なんとなく、つかこうへいが鍛えた理由がわかる気がする。でも私は牧瀬里穂のほうを推したかった!とか、そういう。さっぱり伝わりませんね。まぁいい。内田有紀にも何も文句ないんだからいいんだ。冒頭の「ゲロでうがいしてる」って言われるシーンがあんまり好きじゃなかったけど、割とずっと脚の細さにみとれていられたからいいんだ。
あとは、大竹しのぶなわけですけれども。大竹しのぶ、すっげー良かったけど、なんつうか大竹しのぶの持っている引き出しの中の「怖いオバチャン」を出してた、って感じで終わった。誰か今のあの年齢の大竹しのぶを、可愛く撮った映画を見せてくれよ。そっちのほうが観たいよ。
物語の感想としては「割とつらかった」です。では以下隠します。


私は、知り合いに2人精神科の閉鎖病棟に入った人がいて、片方は一瞬だけ一方的に好意を寄せて驚くほどに依存してきて「ちょちょ、まて」って言ったらあっという間に消えていった女性で、もう片方はうっすらとお友達で今も遠くから見守っていますよーという女性なのですけれども、二人のことがどうしても頭の中でチラついてしまって、どうにもなりませんでした。
どちらも理由が入院に直結していたりしてなかったりはするものの、離婚していて、だから鉄っちゃんと明日香の出した結論が哀しくてならなかった。あれを哀しいと捕らえることは間違えていて、あそこから明日香は新しく生きるわけですけれども、わかっているんですけれども、私の知り合いの二人だって、別に必ずしも離婚が哀しいことってわけじゃない人生を送っているのですけれども、窓から捨てられた電話のメモとか、哀しくてならなかったのです。
元旦那のこともつらかった。「面白い」ってことはどんだけ大事なことだろう。私は大事だ。すごく大事だ。面白くない人と一緒になんていたくない。

仏壇を銀色に塗られても笑える人なんだって思われたって仕方ないよね

って、うろ覚えなんですけれども、そういう主旨の明日香の台詞、ものすごく突き刺さりました。鉄っちゃんは面白い国の人だから。
面白いって、どんだけ大事なことなんだろう。でもやっぱり大事だ。

内田有紀が主演だということすらわかっていない状態で観にいったのですが、行って良かった。
そういえば、てっきりこれはクドカン監督作品だと思っていたのでした。松尾スズキだった。はっはっは。クドカン超良かったな。ちゃんと「おもろの世界の人」していた。つまぶきくんも。