『マジシャン』松岡圭祐

マジシャン (小学館文庫)

マジシャン (小学館文庫)

おもちろかったです。後書きがあつい。
たぶんこれはハードボイルドなんだと思うんですが、ご多分に漏れず、少女が天使でした。単純な描写のされかたはしていなかったので、そんなに腹は立たなかったのですが。あ、でもベテランおばさんに反論する時のサキちゃんは腹が立ったなー。正しいことなら主張してしまって良いの?というところ。あと、クリーニング屋さんでのキレっぷりとか、そのあとのマスコミへの露出とか。でもそれこそが「15歳の少女らしさ」の表現であるので、素直に腹を立てて良いところなんだと思います。
しかし、もう一人の脇役の女性、恵子には腹が立って腹が立って。なんなのこのひと。私はこういう人が大嫌いです。ぺっぺっぺ!
私はマジックに関する知識がほぼ皆無なので、色々面白かったです。これはマジック界隈で物議をかもしだしたりしたのかしら。ネタバレ満載。あと、舛城が相手を計る時に使うクイズがことごとく「??」だったので、私はアホなのだなーと思ってへこみました。
個人的に気になったのは

最後の石垣島のバーのシーン。木目のシートの下に転写紙がはさんであって……っていうやつ。どれくらいの長さのシートを貼ってあったんだろう…カウンターのサイズどれくらいなの……ということが気になってなりませんでした。他のお客さんが、その上でレポート書いたりしたらどうするつもりだったんだろう…とか。
あと、最後まで詐欺師の彼が黒幕なのかどうなのか読めませんでした。えへへ。どうしても希望にすがるタイプです。サキちゃん実の娘なのは驚き。親が中2病だと苦労するね……。
一気に楽しく読めました。シリーズのほかの作品も読んでみようって思うほどではありませんでしたけど。