『バーンアフターリーディング』

ひさびさに観たコーエン兄弟映画。その昔、映画をわりとよく観ていたビデオ屋店員時代には『バートンフィンク』やら『ファーゴ』やらを観てきゃっきゃ言っていたものでした。
んでもって、おバカなブラピのCMでおなじみのこちら。いやー面白かった! 複数の人間の思惑が絡み合って織り成される、おかしくて残酷な物語。タイプとしては『ファーゴ』タイプの脚本。ブラピが目当てで行くと、ちょっと肩透かしかもしれません。でも、CIAのマルコビッチがヒステリーおこすところとか、最高に良かったわー。ドリンキングプロブレム?ハァ? そしてマルコビッチの奥さん役のティルダ・スウィトンの、まー冷酷そうで美しいことったら! いや、全然冷酷じゃないんですけどね。普通に情熱的に不倫してるんですけれどもね。思い出すだに面白いな。
そういった、シリアスで残酷な描写たちが、ことごとく、深刻であるがゆえの滑稽さをあわせもっていて、いやーやっぱりコーエン兄弟の映画ってとってもいいわ! 好きだわ! と思いながら映画館をあとにしたのでした。


ブラピがクローゼットの中で死んじゃったの、ちょうびっくりしました。あっさりーー。あれって、自衛のために持とうとしたら自分を撃っちゃったってことですよね? あまりに瞬間的な描写で理解がおいつかなかったわー。
そして、色々あって唯一無事に生き残ってしまったリンダ・リツキがちゃっかり賠償金を請求してお金を手に入れちゃうあたりも、ちょうたのしい。そして可哀想なジョージ・クルーニー……! 可哀想なのに滑稽で、離婚訴訟されてると知ってちょっと「ざまぁwww」って思っちゃった! CIAにとっては、一般人たちのめちゃくちゃになった人生なんてどうでもいいんだろうなーとか。
あ、でも、ジムの店長(?)さんはひたすらに可哀想でした。報われない人って、どこまでも報われないのね……
おもしろポイントは数え上げればキリがなく。
それにしても、ジムで働く筋肉バカことブラピが、あまりにも普通にリンダが出会い系サイトを使うことに協力的なので驚きました。アメリカでは日本よりもはるかに普通に出会い系サイトが使われているって風の噂には聞いていましたけれど。
あんなふうにさー、夜中にブラピが来たらさー、それがどんなに筋肉バカでも、惚れるよねー!(結局ブラピの話かい)