『赤い指』東野圭吾

赤い指 (講談社文庫)

赤い指 (講談社文庫)

引きこもりの息子が幼女を殺してしまった夫婦の話。ぐいぐいと読めてしまったけれど、ううううん、あんまりだなぁ。読み終わっても何か釈然としない。

息子が最後の最後まで反省の色すらないのは面白いんですけど……。
子どもを育てるのって、大変だなぁと思う。どうしてこうなったか、なんて誰にもわからない。愛情をざぶざぶ注いで育てても、注ぎ方が間違えていたら歪むらしい。注ぎ方が間違えているかどうかなんて、どうしたらわかるんだろう。かわいいね、かわいいね、って言うことを何でも聞いてあげてワガママ放題に育てたって、優しい人が育つこともある。しつけが厳しすぎて歪むこともある。
これは小説だから、割とわかりやすく「この両親はここがダメだなぁ」と思わせるんだけど、現実はそんなに単純じゃないよね。現実はそんなに単純じゃねーよって思うから、この小説を良いと思えないのかもしれないな。