『インセプション』

面白かったです。てっきり渡辺健とデカプリオが「フフフこれは俺の夢だぜ」「なんだって!」的に戦うんだと思い込んでいたので、違いすぎてうけました。
色々設定が面白い。どの程度あの職業が浸透している世界なんだろうなー。防御訓練も存在しているってことは、一定の層いるんだろうな。
お話としては、思い切ってデカプリオのエピソードに絞った感じが割りと好感度高し。もちろん食い足りない感じはするのだけれど、「原作ものをストーリー消化するためにはしょってる」時に感じるバランスの悪さみたいなものは絶妙に感じさせなかったので、気になる色々はキニシナーイで済ませます。
欲を言えば、もちょっと他の人たちも丁寧にみたかったですけど。調合師とか、その場で展開にあわせて調合してほしいから出張してくれ、って言ってた割りにその場で特に調合師っぽいことはしないんだなぁ、とか。
個人的にお気に入ったのは、アーサーです。「キスしてたからね」みたいなことを言うシーン、唐突ですごくよかった。
設計士の女子大生は、人の心の大事な階層にズケズケ入ったりしていたのでデカプリオ怒るかと思いきや、「理解している人が必要よ」とか言ったりして「怒られる前に逆に説教すれば勝ち」的なことを思いました。勉強になった。


最後のほう、コマの均衡が崩れてきたかのようにも見えるけど回り続けてて……って、予想つくオチなのにやっぱりぐっときますね。私は、あれは現実だよ派です。
一緒に観た夫は、あの世界の物理法則はそもそも設計士の思い描くようになっているようだったから、自分の夢の世界の中で自分だけが重さや動きを知っているトーテムを使っても意味がないんじゃないか、って言ってて、そらそうかもしれんね、と思いました。
だって、そもそもトーテムを思いついたっていう奥さんが現実と夢がわからなくなってたものね。
と、考えると、最初から最後までデカプリオの夢だったかもね、という気もしてきます。