『六番目の小夜子』 恩田陸

六番目の小夜子 (新潮文庫)

六番目の小夜子 (新潮文庫)

高校生の頃に読んだものの、すっかり忘れていたので再読。初読のときは、新潮のファンタジー・ノベルシリーズでした。道原かつみがイラストを描いた『星虫』、『月のしずく100%ジュース』などなどと共に愛読した記憶が…私はいろいろな事情に疎いのでよくわかっていなかったのですが、このシリーズ、13册で終了しているんですね。高河ゆんのイラストに引かれて『魔剣伝』も読んでいるはずです。もちろん、『六番目の小夜子』も、当時大好きだった秋里和国のイラストに心引かれて買ったように思います。
そんな、ことこさんのオタクな事情はどうでもよろしい。
当時の印象としては、たしか、たいしたことねーな、と思っていたのでした。フーン、みたいな。前半のハラハラ感に比べて、物語のたたみかたが気に食わなかったんじゃないかと思います。エー。沙世子のホラーな正体はー?みたいな。そういう、わかりやすいエンタテイメントが好きだったんです。
で。今回は。
面白かったです。ホラーなのか、サスペンスなのか。と思わせておいて…な青春小説なのですね、これは。この世に不思議なことなどなにもないのだよ、というところ。謎の提示の仕方も、空気感も、うまいと思いました。高校三年生という時期の描写。あ、夜ピクでやっていたの、もうこのときやってたのね、という。
文化祭実行委員になりたい…