『99%の誘拐』 岡嶋二人

99%の誘拐 (講談社文庫)

99%の誘拐 (講談社文庫)

ああ、これは面白かった。誘拐の手法も面白いし、登場人物たちのドラマも面白く読めました。同じものを宮部みゆきあたりが書いたら、さぞこってりした小説になったことだろうなーと思います。

実際、あんだけの遠隔操作ができるのかどうかということが問われたりしたらしいですけれども、今ならできますね。当時の通信状況でどうだったのかは不明。でもそのへんは、どうでもいいところだと思います。そんなところにリアリティーは求めないのじゃよー。
それはともかくとして、計画の最初の段階である「オンラインRPGをクリアしたら、指定の場所に行けと言われて本当に行ってしまう」という展開がちょっと疑問でした。行くか?普通。中学二年生が。そこに行ってくれないことには全ての計画は始動しないわけで。数ヶ月かけて張った罠にしては、そこが甘いんじゃないかなーと思いました。
てゆか、あんなにも別荘を勝手に改造されちゃって大変だな。間宮さん。これまでも心労が絶えなかっただろうに…。
満足です。岡嶋二人は、あたりはずれが大きいですね。これは当たり。