降臨しましたので口寄せします

窓を開け伸びをひとつしてサァ煙草でも吸おうかとポケットに手を入れた、その瞬間にその一文は私の脳に突如として出現した。思い悩んでいたわけでもなければ、追い詰められていたわけでもない。本当にそれは、何気ない瞬間だった。それだけに、その一文が真理のように思えて私は予定通りに口にくわえた煙草が燃え尽きていくのを眺めながら呆然とするしかなかった。
「ああ、このままいけば、私は自ら命を断つのだ」
死にたいと思ったことはここ数年なかったし、今、現在、ジャストナウ、もまったく死にたいとは思わない。けれど天啓のように、その一文は真実の光を放っているように私には思えてならなかった。


というシーンが降臨してまいりました。創作をしていた時期は常にこういうものが降臨していたなーとキモなつかしく思いました。最初にワンシーンありきタイプです。これをもし膨らますならば、自殺には到底むすびつきそうもない悩みなり事件なりからこの天啓シーンにつないで、最終的には自殺する理由なんて本当に何ひとつないのにポロリと自殺するという展開にすることだろうと思います。
ちなみに私は今のところ残念ながら生きる理由はないのですが自殺する予定もございません。