クラスターエッジ

総集編やりすぎアニメとして以前わたくしが大絶賛(?)したクラスターエッジがついに終わりました。
わあー。大失敗してたー。
上記感想を記していたのが10話放映頃でした。その後、本編内回想が大杉だよ期間を経まして、13話くらいから順調に動き出したんですよ、このアニメ。
なるほど。アゲートはカールスがつくり出した人造人間なのね。クロムもそうなのね。カールスの記憶が移植されているのね。それにしてもアゲートはヤンマーニすぎね。って、あれ、アゲート教団が作ったの……? あれ? 教団2つある……? え、えーと、教団が天使の肉塊から作った裁きの神がアゲートで、でもカールスからなぜか心の一部(キレイなところだけ)を吸収した(?)から半端に 神→人間 しちゃって、で、えーと、ベスビアたんが嫉妬や憎悪も教えてやる!ってそしたらより人間に近付くのでは……? あ、あーえーと、裁きの神→救いの神にする手段があるんだ? え? 愛を世界にふりそそいじゃうの? う、うん、まあいいや、で? あー。同じ天使の肉塊から作った人造兵の血が天使の血でそれをかければアゲートは救いの神にへーーんしん!なんだー。へーー。
って、アホかー!!
ダメだろ。神とか言い出しちゃ。しかも教団が造り出したって、ダメすぎだろ。「神のごとき破壊の力を秘めた人造人間を、平和の担い手たるべき教団が誤って造り出してしまった/人造兵たちは、本来的にはその神を倒すために開発された」ぐらいにしとけよ。
いや、まあ、アゲートのヤンマーニっぷりは神ゆえです、って言われれば納得いかないでもないんですが。アゲートのその全能っぷりにたいしてのみならね! 人造兵とか、その人権とか言っていたものをイキナリそんな教団が神を創造できるファンタジー設定に乗り換えられましても困りますですよ。だったらせめてもっと最初から教団を出しておけやー、という、ね。神様の作り方は秘蔵書参照だよ☆って納得いくかー! ベスビアも軍人じゃなくて原理主義者とかそういう設定にしとけ。
というわけで、テコ入れ失敗と私は判断しました。テコ入れのおかげで話はなんとか「物語」っぽい形を持ったしアゲートのヤンマーニにも説明はあったけれども、下手な説明をいれたためにかえって安くなった。
それでも面白かったと印象に残っている箇所を列挙します。
■カールスの隠し部屋
ここをエマ先生が見つけたあたりは面白かった。カールスとエマの闇の部分の描写に繋がってベスビアなんて甘いもんだったーってことになれば、ずっと深みのあるものになったのに。エマが途中で読むのをやめてしまうのも意味不明。
■ベスビアたんの すごい 鞭
これは面白かった。引くくらいにアゲートを鞭打つベスビア。どうみても hentai です。本当にありがとうございました。
■ベリルのママ あつい設定だった。
■ベリルご乱心
腕を窓にはさまれて手榴弾握らされて泣きじゃくってワープしてきた神アゲートに助けられてでもアゲートはスルーしたままで立場を変えてしまうシーンは良かった。おぼっちゃまヨワス。って感じで。
■クロムの部下眼帯くん(本当に名前ないままなのかよ…)のラスト
良いシーンすぎて泣きたいのに思い入れが足りなくて描写が足りなくて泣けないけどシーンとしては良いけど泣けなくて(ループ)
■そこかしこに見える世知辛さ
きれいごとだけで終わらせないぞ、という気迫は時折感じられて、そこは嫌いじゃなかった。アゲートたちを売っちゃう修道院の女とか。助けても逃げて行く幼女とか。感謝しない学園の生徒とか。


うーん。個々(のシーンやモチーフ)は悪くないのに、肝心の「誰がどういう立場で世界に対峙しているのか」という勢力図が見えないのは、こういう政治的(?)匂いのある話にするんだったら致命的です。個々の描写から点描みたいに全体をみせていくっていうのは基本の手法だけど、その点々をみせるはずの1クール目がアレだったから、点々みせてるうちに全体見せ損ねたーみたいな。せめてもっと視界の狭い学園モノにしておけばなんとかなったかもしれないのに……。もしくは最初からこの路線でガッチリと構成していればもっと面白いものができただろうに……(まぁしょうがない。テコ入れしょうがない)