『子供なんか大キライ! 番外編―キライの裏側』 井上きみどり

子供なんか大キライ!番外編 ―キライの裏側― (子供なんか大キライ!) (YOUコミックス)

子供なんか大キライ!番外編 ―キライの裏側― (子供なんか大キライ!) (YOUコミックス)

先日18巻で完結した『子どもなんか大キライ!』の井上きみどりが書いた「マンガには描けなかったアレコレ」をまとめたエッセイ。子育て漫画ブームに、がっつりと乗せられた私がハマった漫画のひとつだったので、期待して購入。
うーん。残念なことにイマイチでした。裏側はやっぱり裏側として秘めておくべきだったんじゃなかろうか、という気持ちです。娘たちに宛てて書かれた章は「私はなにを読まされてるんだ……」という気持ちになったというのが正直なところ。そんなものは、ハタチの誕生日に渡す手紙にでも書きなさい。本じゃなく。
一番「む?」となったのは、井上きみどりが自身の両親の裏側を書いた章。秘め続けた思いをやっと言えるようになったというのもわかるのですが、思いがほとばしりすぎです。読んでいて感じるのは井上きみどりは微塵も自分の両親のことを許していないし、全ての責任は両親にあると感じているということばかり。本人は本文中で「そんな両親も可哀想な人たちなのだ」と両親を責めているわけじゃない主旨のことを書いていますけれども、こんなものがお飾りなのは明白。
公共の出版物に記載するには、あまりにも本人が消化できていないと感じました。でもこれは本来操縦するべき編集が操縦しなかったせいなのじゃないかと思います。
漫画が面白かっただけに残念な一冊でした。

子供なんか大キライ! (1)

子供なんか大キライ! (1) (YOUコミックス)
というわけで、漫画のほうをご紹介。途中でもう一人生まれてグリーンのチェックがオレンジのチェックに変わります。グリーン期のほうが面白かったかなー。子どもがなにしててもカワイイんでちゅー漫画とは違って、冷静な目線でみているところが面白いのかな。きみどりや娘たちを取り巻く人たちも面白いです。漫画での自分の両親描写はすごい好きですよ。裏側なんて描かなければ……(しつこい)
私のお気に入りは、ポチがキテレツな格好をしてバサバサ歩いているコマ。何回みても爆笑しちゃう。ほかにも従兄弟のはやみとか、面白ポイントは多数でした。
あ、あと、ひーちゃん(旦那)の変化っぷりが読んでいてなかなかショッキングですよ!
たぶん、子どもを愛することができていないように感じている多くのお母さんたちを救ったのではないでしょーか(勝手な憶測です!)


というわけで、唐突に子育て漫画について語り出したりしてみます。


わたしがママよ

わたしがママよ (YOUコミックスデラックス)
私が最初にはまった子育て漫画。なぜこれを手に取ったのかミジンコほども覚えていません。子どもがかわいくてかわいくてしょうがないという目線で描かれた王道子育て漫画なのですが、子ども達が可愛くて可愛くてもー。
個人的にショッキングだったのは「子どもが出したものは、ヨダレでも鼻くそでなんでも食べられちゃうくらい汚いと思わない」という記述でした。ま、まじでーーー。
最初から最後まで、徹底して子どもたちへの愛情が溢れていて、安心して読めます。こういう平穏な漫画もときには必要なのじゃよー。子育て漫画の中では結局一番好きかもしれません。
余談ですけれども、この漫画の連載が終了したあとに引継いで連載が始まったのが上記『子供なんか大キライ!』だったと思います。まさかこっちよりも長く続くことになるとはなぁ。

私たちは繁殖している

私たちは繁殖している (6) (ぶんか社コミックス)
内田春菊の子育て漫画。これも最初の頃が好きでした。具体的には3巻くらいまで。最近は子どものことっつーよりも、別れた旦那と今の旦那の比較が目について、こいつの漫画は最近なに読んでもこればっかりだなーとゲンナリした気持ちにさせられます。
ものすごい自己流に育てていて、それが爽快というか。「よくもまあ自分をここまでかっこよく描写*1できるよな」とも思うのですが、このひとの、虐げられていた時期があったからこそ主張せずにいられない「アタシは自分の正しいと思うことに従って生きてるのよ」節が好きな人はきっと面白いと思います。途中から「このマンガはあくまでも事実を元にしているフィクションなんだから真似して子育てして何か起きても責任とれないヨ!真似しちゃだめヨ!」という文章が頻出するのが笑える。

毎日かあさん カニ母編

毎日かあさん カニ母編
なんか、争ってるんですってね、この漫画。クラスの問題児5バカ描写のところで。面白いのに。サイバラの溢れる愛の漫画なのにな。バカに対してこの人が注ぐ愛情はハンパないなーといつも思います。
まぁでも、学校側が文句言うっつーのもわかるか。学校側の主張だけをみると「そんなことよりも、当の描写された皆様は不快に感じているのかい?」ということを聞きたくなりますね。不快に感じてなくても、今後の可能性のことを考えたら釘をさしておかずにいられない気持ちはわかるけどなー。サイバラの身内ならどう描写されても文句言えないけど、そうじゃないものな。
ま、サイバラが学校側の要請に対して文句をつけているポイントは「作品に対する要請なんだから出版社を通せ」ってところらしいけど。
ちなみに中身は面白いです。私はわりと好き。でも、あれだ。情緒に頼り過ぎてる回はイマイチだな。息子のアホオモロっぷりをガンガン描写してほしいよ。カモのことに触れると切ない。


というわけで! 張り切って書きましょう! Amazonギフト券欲しい!

*1:作画的にも、行動の描写的にも